この夏 注目の8人

力任せ封印、狙うは頂点

本庄一 金成繁投手

 

心身ともに成長した金成繁

 自慢の球で三振を取りたい。投手なら誰でもそう思うに違いない。この男も同じだった。見た目以上に伸びのある直球にこだわりがあった。自信あふれる投球で、昨夏の埼玉大会は初めてチームを4強に導いた。だが、1年生の秋から背番号1を付けるエースは変わった。「大切なのはチームの勝利。直球に力を入れても結果は残らない」

 転機は春季県大会の準々決勝、浦和学院戦だった。直球を狙い打ちされた。昨夏の準決勝で通用した相手に、今度は全く歯が立たない。六回までに7失点し、屈辱的な降板。打線が奮起して1点差に追い上げたが、及ばなかった。「勝つピッチャーがいい投手。速球は関係ない」。須長監督の言葉が心に響いた。

 「力を入れ過ぎて自分を駄目にしていた」。それからは、チームの勝利を一番に考えるようになった。グイグイと押す投球から、打たせて取ることを心掛けるようになった。フォークボールを習得し、変化球でもストライクを取ることを覚えた。捕手のサインにうなずくだけだった配球も、自分で考え始めた。

 浦和学院には昨夏も1点差で敗れ、2年生エースはベンチ裏で泣き崩れた。いつも「ウラガク」が立ちはだかる。でも、そのたびに大きくなっていった。

 「甲子園は夢ではない。出場するもの」。この夏の組み合わせは、決勝まで浦和学院と当たらない。3度目の正直。大団円でリベンジを果たせれば、あこがれの舞台が待っている。

(2007年7月6日付掲載)

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