この夏 注目の8人

天職得た頼れる強肩

春日部共栄 鈴木翔捕手

 

自慢の強肩でチームをまとめる鈴木翔捕手

 度肝を抜くけん制球を投げる。まさにレーザービーム。本塁から二塁への送球スピードは最速140キロに達する。「盗塁は許さない」。強肩で投手陣を助ける、頼もしい扇の要だ。

 捕手の経験は短い。小学校時代は捕手だったが、中学では投手から外野手へ転向。高校入学後も、しばらくは外野手。だが、層の厚いチームでは試合に出られない。打撃に非凡なものを持ち地肩はあっても、守備を任せられなかった。

 「キャッチャーをやってみないか」。1年生の秋、強肩にほれた本多監督から声を掛けられた。「急だったのでびっくりした。でも使ってもらえるかもしれないと思った」。悶々(もんもん)としていた日々に、あふれる才能を吐き出すチャンスが与えられた。

 最初は戸惑った。盗塁をされると焦り、せっかくの肩を生かせない。とことん送球練習をした。配球についても投手やコーチらと何度も話し合った。努力で経験不足を補ってきた。

 今では捕手の奥深さに魅了されている。「やってて本当に面白い」。考えるのは、いつも投手のことばかり。それぞれの特徴を冷静に分析するのが、何よりの楽しみになっている。

 チームは2年前、甲子園に出場。「一歩入ると空気が違った。自分もここでやりたい」。その時はスタンドから仲間をまぶしく見つめるしかなかった。だが、高校生活最後の夏は違う。コンバートを繰り返した男は今、天職を得た。自慢の右肩で夢へ突き進む。

(2007年7月4日付掲載)

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